【新生児ママ】その手の痛み、腱鞘炎だけじゃないかも?山村 美暖2022年3月9日読了時間: 3分そんなママに一番に浮かぶのは「腱鞘炎」ではないでしょうか。腱鞘炎も新生児ママによくある症状なのですが、腱鞘炎とは違う症状がはじまっているかもしれません。正しく症状を理解して、正しくケアし、重症化を防ぎましょう。 腱鞘炎とは?「腱鞘」は「腱」の「鞘(さや)」と書きます。書いて字のごとく、腱が骨から離れないように腱を包んで押さえてくれているのが腱鞘です。刀の鞘のように腱が腱鞘の中をスムーズにスライドすることで指を自在に動かすことができますが、なんらかの原因で腱と腱鞘がこすれあってしまうと炎症が起きます。これが腱鞘炎です。腱鞘炎になると指がこわばり、指を広げにくく感じたり、何かをつかもうとしたときに手首にかけて痛みが走ったりします。腱鞘炎になる原因は一言でいうと「指の使い過ぎ」ですが、新生児ママはホルモンの影響もあり、なりやすいと言われています。赤ちゃんのお世話もあり、なかなか自分の通院に時間を割けない方は湿布などでやり過ごすこともあるかと思いますが、下のような症状がある場合には注意が必要です。 親指の付け根が痛い筆者も経験しましたが、産後1か月後くらいすると「親指の付け根が痛い」という方が一定数いらっしゃいます。大きな原因のひとつは、赤ちゃんのうなじ部分を支えてあげる、という動作。主に沐浴の時、赤ちゃんの首はまだグラグラですからお母さんが”親指のはら”をぐっと内側に押し込むことで赤ちゃんの首から頭にかけて支えてあげる必要があります。また、哺乳瓶を持つ動作でもこの[親指の付け根を内側に動かす]という動作が出る方がいます。特に新生児期は一回の授乳で30分以上哺乳瓶を支えておく必要がありますから、1回や2回ではなんともなくても、毎日何回も繰り返しているとだんだん疲労が溜まってきます。親指の付け根が凝っていたり、親指が開きづらくなっている場合”母指CM関節症(ぼししーえむかんせつしょう)”という、腱鞘炎とはまた違う症状に近づいてしまっているかもしれません。 母指CM関節症(ぼししーえむかんせつしょう)とは・ビンの蓋が痛くて開けられない・ジップ付きのビニール袋が締めにくい(親指の力が入らない)・ペンやお箸が持ちにくくなったこういったことに思い当たる方は母指CM関節症である可能性があります。母指とは親指のこと。親指は他の指と向き合う形でそれぞれの指とつまむ動作ができる構造になっていますが、この関節部分が使い過ぎや老化により摩耗し、ずれてしまったような状態になることで発症します。母指CM関節症は骨が亜脱臼し、指の形自体が変形してしまうこともあります。痛みが慢性化してしまう場合は手術という方法もありますが、成功しても痛みが再発する可能性も高く、完治が難しい症状です。 痛みが出る前に腱鞘炎も母指CM関節症も、更年期以前の女性の原因のほとんどは「使い過ぎ」です。親指の付け根を軽くマッサージしただけでも凝った感じがある場合、すでに疲労が溜まり始めている証拠。何もしていなくても痛い場合にはできるだけ早く下記のような対処法を実践しましょう。[症状を悪化させないための対処法]・サポーターやテーピングテープなどで動きを制限する・使った後はマッサージやストレッチをする・使い過ぎを感じたときはアイスパックなどで冷やすまた最近は沐浴や授乳をサポートするツールも色々な種類のものが販売されています。すでに妊娠出産で体を酷使したあとですから、無理をせず「もうこれ以上は耐えられない」となってしまう前に対策を見つけましょう。 赤ちゃんが首が座るまでの期間は短いようで意外と長いもの。「このくらいきっと大丈夫」と見て見ぬふりをして蓄積した疲労が顕在化してしまわないように、ぜひこまめにご自身の手を労わってあげてくださいね。
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