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なぜ親は「妊婦は大人しく」というの?研究結果から見えた昔の”アタリマエ”の裏側

更新日:2022年5月15日


”妊娠中は安静に”という考え方は、もう数十年前の話。
現在は合併症などの特別なケースを除いて妊婦さんの適度な運動習慣が推奨されています。
しかし身近な人に「あまり動かない方がいいんじゃないの?」と言われればなんとなくそうした方がいい気もしてしまいますよね。

親世代との認識の差には原因があります。
その理由を知れば「私はどう過ごすのが正解なんだろう」と迷わずに済むかもしれません。

 

「妊婦は安静に」は30年前の常識だった



1980年代に「重いものを動かす仕事や立ちっぱなしの仕事をする妊婦は低体重児や早産の確率が上がる」という論文が発表され、医療者からの指導も「妊婦さんは安静にする」というのが当たり前でした。

その後1990年代に入り、「早産などの問題は肉体労働として長時間のストレスがかかっていることが原因であり、体づくりやリフレッシュのための運動はむしろ推奨される」という反証論文が発表され、このころから欧米をはじめ徐々に”マタニティフィットネス”の重要性が認識されていったそうです。

妊娠は2つの命を守るための大切な期間ですから慎重な意見が優先されるのは当然かもしれません。

しかしここで重要なのが、特別な合併症などがない限り「安静にしている方がリスクを高める可能性がある」ということです。

 

体重がキープできていても運動は重要



日本で8万人の女性を対象に行われた研究によると


・身体活動量が【少ない群】で【帝王切開】になりやすかった


・身体活動量が【非常に少ない群】で【早産】になりやすかった


という結果が発表されています。



運動=ダイエットというイメージの方が多いかもしれませんが、運動することで得られる効果は多岐に渡ります。
カロリーを消費し、体重管理に寄与するというのはほんのわずかな面でしかありません。

血流をよくしたり、柔軟性を高めたり、ホルモンの分泌をよくしたり、さまざまな面で心身に影響を及ぼします。
母体はもちろん、胎児にとっても非常に多くのメリットがあり、逆に「体を動かさずにいる」ということは血流を悪化させ、体を硬くし、母体にも胎児にもデメリットとなってしまいうるのです。

 

「妊娠中は赤ちゃんの分まで食べる」や「赤ちゃんはお風呂のあと白湯を飲ませる」など、親世代にとっては当たり前でも現在はそうではないことというのは多く存在します。


もちろん主治医から安静を指示された場合を除き、ぜひ多くの人に妊娠中安静にしていることのデメリットを知っていただき、よりよいマタニティライフを過ごしていただきたいと思います。

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