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尿漏れのための骨盤底筋群トレーニングで気をつけたいこと【国内論文】

産後のお悩みの一つ、尿漏れ。くしゃみや咳だけでなくふと立ち上がった時や走りだそうとした時など、ドキッとするとともに非常に嫌な気持ちになりますよね。

尿漏れは肥満や心理的なストレスが原因になっていることもありますが、このコラムでは女性が経験する尿漏れでもっとも多い、腹圧性尿失禁について取り上げていきます。

 

インナーマッスルを鍛えればOK、は間違い


体の深層部にある筋肉は「インナーマッスル」や「コア」など様々な呼び方がありますが、一種類の筋肉ではありません。

インナーマッスルとしてよく挙げられる筋肉は
・腹横筋
・内腹斜筋
・骨盤底筋
・横隔膜
などです。

この中で尿漏れに最も関係するのが尿道括約筋などを含む骨盤底筋群です。
骨盤底筋群が使えているかどうかという判断は非常に難しいため、「インナーマッスルは連動して働きやすい」という特性から腹筋群と合わせたトレーニングが推奨される場合もあります。

しかし、骨盤底筋群のためにという思いで他のインナーマッスルを鍛えようとしてしまうと、より尿漏れの症状を悪化させてしまう可能性があります。

 

腹横筋は膀胱を押し下げる


20代の女性を対象に以下の二つの動作を行ってもらい、膀胱の位置や骨盤底筋群の動きを超音波で確認した実験があります。

①仰向けで「おなか」をすぼめてもらう
②仰向けで「おしり」をすぼめてもらう

①はリハビリやトレーニングでも用いられるドローインという方法で、腹横筋を鍛えるのに有効とされています。
先述のとおり骨盤底筋群は意識的に収縮させるのが難しいため②の「おしりをすぼめる」というのは骨盤底筋群を締める意識として出された指示だと考えられます。


結果、②の場合の方が骨盤底の挙上量が多く、①のドローインでは骨盤底の挙上量が低下し、さらに膀胱の位置が下がることが確認されました。


つまり、腹横筋を使う動きではうまく骨盤底筋群を使えていないだけでなく、より膀胱が圧迫されるため、すでに尿漏れが起こっている人にとっては症状を悪化させかねないということです。

 

使おうとする意識が大切



早く尿漏れを直したい気持ちが先行し、どうしても「効いている」感じを求めてしまうかもしれません。
しかし特に産後はインナーマッスルの中でも骨盤底筋群が群を抜いてダメージを受けています。
鍛えようとしてプランクなどの腹横筋に強く収縮がかかる動作を行ってしまうと逆効果になる場合もあるでしょう。

上記の研究により、うまくできているか分からなくても骨盤底筋群を使おうとする意識が有効ということが示唆されたのは喜ばしいことです。

少しずつ少しずつ神経を繋げてあげるような意識で繰り返し練習し、できるようになってきたと感じたら徐々に他のインナーマッスルと連動させていくことをおすすめします。
 




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