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妊婦さんがウォーキングで気をつけたいこと3選【後期妊婦さんは要注意!】
- 山村 美暖
- 2022年1月12日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年3月15日
歩きすぎない
とにかく頑張って痩せようとして「今日は2時間歩きました!」というような方がいたら注意です。
個人差が大きいですが、母体の肺活量によって≪40分を超える連続した運動は胎児への酸素供給量が減る≫可能性があります。
呼吸がだんだん浅くなっていることに気付かずに歩き続けてしまうと、母体だけではなく胎児にも影響が及びかねません。
さらに、長時間の運動で疲労物質が溜まり、一時的に免疫力を落としてしまうというリスクもあります。
妊娠中はただでさえ免疫力が落ちるため、せっかく頑張ったウォーキングでさらに免疫力を下げてしまうなんてしたくないですよね。
また、ウォーキングの推奨歩数は一日に8000歩とされており、1万歩を超えて歩くと、関節に負担がかかりやすくなると言われています。
非妊娠時の状態でもそのようなデータがあるので、妊娠中グングン体重が増えて筋力が追いついていない状態ではさらに注意が必要と考えた方がよいでしょう。
歩き慣れている方でも妊娠中は靭帯が緩みやすいホルモンが分泌されているため、足首などの通常では痛みが出にくい箇所も痛みやすくなります。
おなかを引き上げてから歩く
特に中期以降の妊婦さんはおなかが大きくなってきているため簡単に腰の骨が引っ張られ、≪常に反り腰になりやすい状態≫です。
立った姿勢でおなかが引っ張られる感覚がある方はすでにそのリスクがあると考えていいでしょう。
反り腰の状態でウォーキングを続けると前ももの筋肉が張り、逆に裏ももの筋肉が硬くなることで筋バランスが崩れ腰痛の原因になります。
また、だるんとおなかを突き出している状態のまま歩くと、重くなった子宮が下へ下へバウンドし、膀胱などのほかの臓器を圧迫したり、骨盤の底になる骨盤底筋という筋肉に負担をかけてしまったりします。
「妊娠中は腹圧をかけてはいけない」という意識からおなかの力を入れることに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、思い切りお腹に力を込める必要はなく、イメージとしてよく使われるのは≪赤ちゃんを少し抱っこしてあげる≫感覚です。
体幹が安定することで腕の振りも大きくなり、一歩の幅も大きくなるため運動効果も高くなります。
ウォーキングで陣痛を進めようとしない
これは上記の2点とは少し異なる視点になりますが、「子宮口が開いてからなかなか進まないから院内を歩いた」という話を聞いたことがある方はいませんか?
おそらくいまだに都市伝説的に行われているこの「お産を進めるためのウォーキング」ですが、効果がないという研究結果があります。
歩行を行ったグループと行わなかったグループでは、その後の子宮口の開きや陣痛時間、また促進剤の使用率などに変化がなかった、というものです。
確実に効果が出るならいいですが、陣痛に耐えながらせっかく頑張って歩いたのに全然進んでいない!なんてショックですよね。
陣痛中はできるだけ体力を温存したいですし、ウォーキングで期待できる骨盤や股関節の可動域というのは大きくないため、もし気を紛らわしたり血流をよくするために行うとすれば体力の消耗が少ないストレッチや、骨盤の動きをサポートするスクワットのポーズをおすすめします。
妊婦さんの理想のウォーキングとは
現在妊娠中でウォーキングを行われている方は以下の点に注意しながら行うようにしてみてください。
・歩き始める前に両手でおなかを1センチ持ち上げ、そのままの位置でおなかを固定する
自然に胸が張れているような感覚があればOKです。
反り腰になりやすい方も、おなかの引き上げを行うことで腰痛を予防できます。
・歩数や時間よりも≪いい姿勢で少し広めの歩幅≫で歩くことを意識する
姿勢や歩幅に注意して歩くと、15分もすればかなり運動した感覚になると思います。
普段意識しない足裏や背筋を使うイメージで楽しみながらも集中して行えると良いですね。
・1回の歩行時間は1時間前後に収め、休みの日をつくる
胎児に送られる酸素量が少なくならないよう、20分ほど歩いたら5分程度の休憩を挟み数回深呼吸をしてから再スタートしましょう。また、連日行うと体内の疲労物質が代謝しきれないため、週に1日はストレッチの日などをつくりましょう。
いかがでしたでしょうか。正しく行えばウォーキングはとても手軽で効果的な運動です。
記事の中では主に注意点を挙げていますが、心肺機能の向上や血流改善など、ウォーキングには妊婦さんにとって必要な運動効果がたくさんあります。
ぜひこの記事の内容を参考に行ってみてくださいね。
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