骨盤底筋とは?出産での特別な役割と注意ポイント!山村 美暖2022年1月7日読了時間: 4分更新日:2022年5月15日簡単に言えば股間、おまたの部分にある肛門や会陰部を含めた筋肉の集まりです。デリケートなゾーンゆえになかなか会話にもあがりづらいかもしれませんが、出産にもダイエットにも尿漏れや性行為にも大きく関わる、非常に重要な筋肉なのです。今回はその役割や機能、そして出産と産後のためのポイントを解説していきたいと思います。 骨盤底筋の役割とは一般的な骨盤底筋の役割は主に・子宮などの臓器を下から支える・排尿や排便をコントロールする・体幹の安定を助ける・呼吸筋の一部としてはたらくなどがあります。いわゆるインナーマッスルのひとつで、特に女性は骨盤の形状から、男性よりも骨盤底筋が緩みやすいと言われています。そしてここに出産時に・赤ちゃんが出てくる産道になるという役割が加わります。骨盤底筋が緩むと尿漏れや臓器脱などの原因になるため「骨盤底筋を鍛える」ことを耳にしたことがある方は多いと思います。しかし、締める方ばかりを練習してしまうと結果的に骨盤底筋が柔軟性を失い、産道としての役割の際に支障をきたす可能性があります。 出産のとき骨盤はどうなる?骨盤はいくつものパーツから構成されていますが、お産の時にはこれらが少しずつ広がることで赤ちゃんが通っていきます。直径10センチという大きな頭が通るわけですから、それはもう「出口」は広いに越したことはありません。この「出口」となるのが骨盤底筋です。会陰と聞くと思いますが、会陰も骨盤底筋の一部分です。骨盤底筋が硬いとまず骨盤の動きを阻害してしまいますし、いざ赤ちゃんが出てくるとなったときにも”伸び”が悪く、一番つらいラストスパートで時間がかかったり、裂傷を起こしてしまいやすくなります。よく「スポーツ選手の筋肉はフワフワしている」と言いますが、骨盤底筋群も筋肉の集まりですから、血流がよく、凝っていない状態が理想です。≪柔らかく、柔軟性があり、かつ締めることもできる≫という状態が作れていれば、お産もスムーズにすすみ、産後の回復も早くなります。妊娠中の方は子宮の重さから骨盤底筋を動かすことがどんどん難しくなっていきますが、全く動かせないわけではありませんのでぜひまずは動かそうとしてみてください。 骨盤底筋のトレーニング方法もっともシンプルかつ、誰にでも取り組める骨盤底筋を動かす方法がこちらです。・締める→座骨を感じる姿勢で座り、息を吐きながら会陰部を引き上げる・緩める→仰向けで寝た状態で、肩を動かさないように息を吸う締める場合も緩める場合も、行う姿勢が悪い姿勢だとうまくいきません。どんなスポーツもフォームが大切なのと同じですが、骨盤底筋を含めた深層部の筋肉は骨格の並びが崩れてしまうとうまく機能が発揮されないという特徴があります。間違ってしまいやすいのが、腹筋の他の筋肉を動かしてしまうこと。骨盤底筋を動かす際は腹筋まわりが柔らかい状態で行えているかどうかが、正しくできているかどうかの一つの目安になります。反対にボクサーのようにお腹を硬く固めている状態は骨盤底筋群が使えていないことが多いです。骨盤底筋は正しく使えているのか判断することが難しい筋肉ですが、「呼吸」と「意識」がキーワードになります。骨盤底筋は横隔膜と連動してはたらくため、5秒以上息が吸えない方は深く考えずにまずは深呼吸から始めてみましょう。 いかがでしたでしょうか。これまで「骨盤底筋といえば締めるのが大事だよね!」と思っていた方はぜひ「緩める・伸ばす」訓練を、「骨盤底筋をよく知らなかった」という方はぜひその存在を感じようとしてみるところからスタートしてみてください。今はさっぱり分からなくても、骨盤底筋も筋肉ですから、ぐーっと力を入れることも、フゥと力を抜くこともできるようになります。今はその感覚を失ってしまっていても、訓練すればほとんどの人は1か月以内にコツをつかめるようになりますので、繰り返しおこなってみましょう。
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